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by kgapk2004
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空の境界

空の境界_c0005235_2129977.jpgアニメ化もして、話題になってた時期に文庫化。
そこでようやく手が伸びたシリーズ。
ラノベに属す小説を読むのは
イリヤ以来だから、4年ぶりくらいですか。
しかし、なんとなくブームの流れは見えてますが
ラノベの流れについていけなくなって
随分たつものです。。
空の境界はもともと10年近く前に同人で発表が
スタートなので、文庫化・映像化が最近といっても
もう一昔前の作品になるようですが。。
いつの頃か、ラノベ系の流れに妙に伝奇の
流れが入ってきていますが
80年代後半~90年代前半のAKIRAや孔雀王
あるいは影響を指摘されてる菊池秀行などの
世紀末のビル街に魑魅魍魎が出てサバイバル&バイオレンスみたいな類ではなく
どちらかというと伝奇特有のオドロオドロしさを
「萌え絵」で中和し代わりに設定魔のような細かい理論づけと
世界観の根底に「セカイ系」がはいったようなタイプ?その流れを作ったのって
実はこの作品がきっかけになっているかもしれません、と読んでて思いましたw。
(伝奇に限定しなければ、ラノベに「セカイ」をもちこんだキノやブギーポップも近い、かな?)
ただ衒学的なもってまわした言い回しと、キャラクターの心理描写の多用
トリッキーな構成がかえって内容を混乱させるてるのが気になりました。
もっとシンプルにまとめればより面白くなると思うのですが。
肝になるのは京極的な衒学的蘊蓄と綾辻的なトリックや構成な感じ。
細かい筋は忘れてしまいましたが。。。その2つがうまく機能してたエピソードは
矛盾螺旋かな、と。このエピソードは展開が二転三転しストーリー的にも
全体の中核をなす大きなエピソードだったんじゃないかと。ここは蘊蓄も面白かったしね。
逆に他のエピソードがいま一つ。も少しすっきりした構成と心理描写を綺麗にまとめるだけで
印象が変わるのになぁと思った作品です。もちろんそれもまた持ち味なのでしょうが。。
その分アニメでみると、また印象が変わりそうな予感。
by kgapk2004 | 2009-08-04 21:23 | ブックレビュー