人気ブログランキング | 話題のタグを見る

06年11月HPリニューアルに伴い、ブログタイトルもリニューアル。


by kgapk2004
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

ターン

ターン_c0005235_3594188.jpg

某アニメを見ていた時に繰り返される日常ネタにはまりだして
この「時の人」のシリーズの存在を思い出しましたw
偶然にもその時期、作者の最新作が直樹賞をとった矢先で
しかしずいぶんゆっくり読んだもんです。。
間にいちいち別の本を挟むのでなかなか進まず。。
長い話じゃないんですが、話しのテンポがかなりゆったりなので
落ち着いた気分の時でないと読む気にならないんですよね。

時と人の三部作ではえっらい昔に第1作スキップを読んだのですが
これは高校生だった主人公がある日突然
子どもと旦那のいる40歳の時間に飛んでしまう、ゆえに「スキップ」
そして2作目となる「ターン」は事故にあった主人公が
同じ一日をずっと繰り返してしまう、ゆえに「ターン」
この設定、当然いろいろと矛盾がおこりそうなのですが
1日たつと前の一日の状態に戻ってしまう
主人公がその時間に飛ばされた3時15分時点で
止まっているはすべてのものは存在し
動いていたものの存在は消えてしまう。
なので電気やガスはすべて通っているし食べ物も腐らない。
時間からズレて取り残され、ループするという一点で
意外にも多くの矛盾点、物語を阻害する要素は取り除かれて
それにさほど違和感も感じない、巧妙な設定だと思います。
よく無人島に一人漂流したらどうなる?ネタがそこらで繰り広げられてますが
そういったサバイバルな観点や静寂な街をうろつくミステリー風の
シチュエーションを期待したのですが、ほぼ主人公の心理中心に話が
進むので、そのへんが残念といえば残念。まぁこのシリーズの
コンセプトから考えると当然そういう流れになってまうのですが。

むしろ実写版の方が、その色が濃く出てそうなので気になってきたり。
それにしても北村薫はほんとに女性作家かと思うくらい女性描写の描き方が
妙にリアルだったり(現実的ではないのですがw)文体が柔らかいです、ホント。
ギミックは超絶ミステリーなのに、まったく理系な匂いがしないってのも凄い。
by kgapk2004 | 2009-11-26 22:24 | ブックレビュー