SAPPUKEI
2005年 09月 19日
とにかく音の統一感のいいアルバム。始めは??って感じですが、聴けば聴くほど味が出てくるスルメアルバム。アルバム全体の統一感がよくとれていて、ナンバガのキャリア史上最も安定感のあるアルバムなのではないかと。都市伝説、酩酊、ビル街と天狗、青春懐古、団地の6階、夕暮れ時、そんな言葉やイメージがつらつら並ぶアルバムです。音的にはハード、なのですが情緒豊かな感じもし、慣れると不思議な心地よさも感じる1枚w。そしてまたSAPPUKEIは、ナンバガお得意の歪んだギターや不協和音がやがて一つの音に統一されていく鋭角ビートが大爆発してるアルバムでもあります。歌詞は風景を眺めているどこか傍観者的な感じ、第3者的な視点にたった感じ、これまた独特です。夕暮れ時に、街外れの郊外から街中のビル街を眺めてるような、そーんな世界観。これ以前のアルバムは、不十分な録音状態でリリースされた作品が多く(それもライブ感を重視した、意図的な仕様だったようですが)渋谷ロックトランスフォームド状態というライブ版が唯一、音質手気にそこそこ安定した1枚。で、このSAPPUKEIでようやくそのナンバガの真価がオリジナルアルバムでも発揮されたんじゃないかと。もちろん、青いのも、白いのも味がって素晴らしいと思いますが。とにかくこの辺はサウンドプロデューサーのデイブフリッドマンのお陰といえるでしょう。このアルバム、ナンバガのこれ以前のアルバムにあった青春回顧なセンチメンタリズムが薄れ、都市に住むものの軋轢や、焦燥感等激しい方一辺倒へ傾いてしまってるのは残念。といっても適度なPOPさと、聴きこむほどに情緒豊かな感じは受けるのですが。この路線はこの後。「冷凍都市」という1つの世界観となり、次のアルバム~ナンバガ解散後のvo向井氏が率いる新バンドZAZENBOYSまで一貫してつづいてる流れとなっています。でも、やっぱりナンバガ時代にあったどこかマニアックでありながら、POPなメロディラインがよかったんだけどなぁ~(-.-)y-~~~ 。このバンドはこれまでありそでなかった学生時代の放課後の世界観を描写したことが、新しかったと思います。日本的で、放課後チックw。
by kgapk2004
| 2005-09-19 23:26
| 音楽レビュー