マザー1+2
2005年 11月 27日
以前レビューしたことがあるマザー1・2ですが、改めてレビューw。マザーの魅力はまず世界観のうまさにあるのではないかと。キャラの台詞はユーモア溢れてるし、敵を倒すのも、倒す=殺すのではなく、「改心した」「我にかえった」、「おとなしくなった」etc。それに近いことは桃太郎伝説がやってたけど^^;(ギャグ多め、敵はこらしめたって表記)マザーはコピーライター糸井重里氏の監修のおかげで、台詞や世界観のしゃれっ気が、より洗練されている感じがします(例えば誰も前にいない時に、話すコマンドを入力すると「誰に話しているのだ」とか)もう一点斬新だったのは切り替えのないフィールドを最初に提示したシリーズだということ、これによって世界をより広く感じることができるし、アメリカンな雰囲気と相まって、スタンド・バイミー的なロードムービーっぽい雰囲気を出すことに成功していると思います。1の最初、墓場に女の子を助けに一人で乗り込む展開があるんですがあれなんか、ほんとに孤独で気味の悪い感じがでてたし、だからその後仲間が増えると(フィールドの曲が変わるのもあって)やたらと仲間の存在がありがたく感じられ、電車に乗ったときはその速さと便利さをゲームの中でありがたがれる、という訳ですw。もうひとつ重要な要素が音楽。敵キャラによって音楽が変わるのが斬新。アホな敵、人間の敵、怖ろしい敵で、そのイメージにあわせた曲にかわる演出。これがまた絶妙にはまっていました。人間の敵がお兄さんだと60年代のR&R風の曲に、ボスキャラだと通常のRPG風の戦闘曲に変わる訳です。1・2作目通して、ムーンライダースの鈴木慶一監修となっており、1はPOPで耳に残る名曲が多し、2作目は1作目の名曲が効果的にアレンジされ、また効果音がやたらと凝ってた印象があります。ストーリーは全体的にユーモア溢れているとはいえ、所々で泣かせる展開があったりするわけです。1作目は、後半になると敵側のダークさも徐々に垣間見えてきてなんとも言えない不気味さやミステリアスな感触を残しています。SF、ホラー映画のオマージュに溢れたロードムービー風の良質なジュブナイル(分かり辛いっすね^^;)。2作目は1作目の雰囲気を継承しつつ、もう少し噛み砕きやすくした印象、そしてラストバトルの演出がとにかく秀逸でした。全体的なイメージは、まさに任天堂の出したRPGってな感じで、無駄な要素がなくどこかPOPなセンスに溢れた作品。他のRPGに比べても、むやみに難解さがない(中世の重々しい感じがしない)オタク臭がしない(キャラデザがアニメ調ではなく、スヌーピーのザ・ピーナッツ調)そして、その垢抜けたPOPさと大人がプレイしてもうなってしまう台詞回しの軽快さから、キャッチコピーの通りに「大人も子供もお姉さんも」なRPGにふさわしい作品になっていると思います。でも基本よく出来た雰囲気ゲーだと思うので、システムやゲーム性にこだわり、世界観に馴染めないと微妙なゲームになるかもしれません^^;。逆に映画・音楽好きのゲーマーは是非。
by kgapk2004
| 2005-11-27 23:39
| ゲームレビュー