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by kgapk2004
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ソナチネ

ソナチネ_c0005235_23163821.jpgバイク事故直前のたけしが撮り、ガンの治療を終えた(再発直前の)逸見さんにして「病み上がりには応える映画だった」といわしめ、ヨーロッパの映画祭で絶賛され世界の北野になるきっかけを作った映画。全体的に日本特有の「間」を強調した作品でありキタノブルーといわれる全編にただようなんともえない哀愁感から、結構好き嫌いの別れる北野映画だと思うんですが静と動を上手く扱っているからこそ迫力の(怖さの)伝わる銃撃シーンや沖縄の海で戯れてる描写が、強烈に彼岸を思わせる絵だったり、と全体的に底知れぬ「何か」が漂ってる、見てると思わずあっちの世界に連れてかれそうになる、不思議な魅力を持った作品ですねぇ。特に海辺で戯れるシーンが強烈に哀愁を漂わせるんですが、ああいう光景ってなんか男特有の、寂しさ的なものを演出するのに抜群の効果がある気がしますね。もう無邪気に遊んでられない状況なのに、あえてバカ騒ぎをする、みたいなさw。意外とああいうのって日本人だけにしかない感性だとも思うんですが、海外受けするあたり、外人にもよーーく分かる心理なんでしょうねぇ。また北野作品特有の「間」なんですが(邦画には多かれ少なかれ、この「間」を強調させたものが多くそこが、人によっては退屈に感じちゃう部分なんでしょうが・・・)個人的にあだち充の「間」は苦手ですが、北野武の「間」は割と好き。多分このシーンならこれくらいの沈黙は必要だろうっていう感覚に割りとぴったりなテンポで、台詞や動きを割り振ってあるような気がします。
by kgapk2004 | 2006-03-12 23:12 | シネマレビュー