06年11月HPリニューアルに伴い、ブログタイトルもリニューアル。


by kgapk2004
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白い巨塔

c0005235_19122324.jpgとりあえず、白い巨塔名義で出た3巻まで読破。続きは新・白い巨塔として出た4・5巻。ホントは日航ジャンボ機墜落事故を焦点に日本の航空会社の裏側を描いた同著者の「沈まぬ太陽」に興味がいったのですが、とりあえずは代表作になるこっちを読んでみようかな、と。5回も映像化された人気作。名門国立大学の医学部を舞台に、出世のためには手段を選ばない財前と、患者視点に立ち、医者の良心に従って行動する里美との対立を軸に、医療世界の裏側にメスを入れた大作。とはいえ昭和39年に書かれたものだからもう40年近くも前の作品です。しかし、読んでみると驚くほど古臭さがありません(文章は硬いですが。。)、先の「沈まぬ太陽」と同様、入念な取材に基づいて、利益本位の企業と、善意に訴えかける従業員(または社員等)の対立を軸に社会に暗部を描く、というのが山崎豊子の真骨頂のようで(もしくは骨太の大河ドラマね)基本コンセプトはどちらも似てるんでしょうね。

以上、以前書いた途中経過レビューですがw。このあたりは最後まで読んでみても同感で、付け加えるなら、生粋のピカレスク(悪党)小説だなぁと。最近のメジャー作品で例えるなら、財前はデスノートの夜神月並みの悪党に徹しておりますw。ただこの小説の財前と里見の構図は、そのまんま現在の社会にも反映できて。勝ち組、負け組という言葉が氾濫しだした現在はなお更(何回も映像化されてるのも、このキャラ対比の構図によるところが大きいんじゃないでしょうか。医療社会にメスを入れた内容って面も当然受ける理由として挙げられるでしょうが)、他人を蹴落としてまで出世の道を生きるか、自分の良心に従って真面目に細々と生きるか。結構分かりやすい対比だとは思うんですが、極端に分ければ人間はこのどっちかに属するわけで、思想的には間違いなく里見派ではあるものの、財前的な部分ってのもやっぱり多かれ少なかれ(特に男には)あると思うからねェ。そんなあれこれを考えながら読むと30年近く前の小説とはいえ、やっぱ深いなぁと思います。
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by kgapk2004 | 2006-09-12 19:02 | ブックレビュー