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by kgapk2004
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蒼穹の昴

蒼穹の昴_c0005235_21174339.jpg最近、読むものが尽きてきたので
また長編を読みたくなり、いままで未知だった
中国歴史ものに手を出してみよう、と。
蒼穹の昴は、いままで評判の割りに
あまり読まなかった浅田次郎作品であること
多くの中国歴史小説は古代を扱ったもの
が大半を占める中、珍しく
近代(清朝末期)にスポットを
当てていた点にまず惹かれました。
ここ最近、明治時代の日本の歴史ものを
読んできたのでその裏での中国の流れを
見てみたかった、というのもあります。
もちろん史実だけでなく
フィクションな要素も混ぜられてはいますが。
作中通して特に興味深かった点が、日本が歴史上中国の文化から
様々なものを取り入れてきた中、数少ない「採用しなかった」制度
宦官と科挙に序盤、大きくスポットを当てている点。
日本では明治維新が成功し、日清戦争で清に勝利を収めた時代
清王朝内部でも保守派と変法派の対立が起こり、ドロドロの陰謀劇が
繰り広げられることに。また、外交面だけでなく、意外な形で
西欧文明も話しの中枢に関わってきます。5000年の歴史を持つ
中国王朝のまさに節目の時代、西太后のような歴史上の有名な人物も絡めつつ
主人公二人の波乱万丈とミステリーな要素も絡んだ大作に仕上がっています。
泣ける本として有名な作品でもありますが、個人的には泣きの要素というよりも
当時の清朝の情勢を比較的分かりやすく読み進められたという点で
興味深かった作品って感想に。ちょうど読み始めた頃に(だと思うけど・・・)
続編に当たる「中原の虹」がハードカバーで出たばかりです。
by kgapk2004 | 2008-03-09 21:20 | ブックレビュー