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![]() 全編目を通してみた一本 昨今の日本の停滞に触れ、危機感を煽りつつ過去の日本の実績や世界経済の流れ その改善策の提示を示すというのはこの手のビジネス本の王道の流れなのですが 本書はグローバル経済を軸に西洋資本主義の影の部分とそこに おける日本の位置づけを軸にして、歴史、経済、和洋の解釈の違いを 手順良く紹介してるのが好感触。 ここ数年、習慣的にこの手の本や雑誌を幾つか読んで気ましたが、ここまで話が脱線せず クドクド繰り返しもせずコンパクトにまとまってる本って 以外に少なかったのかも。言ってることは分かりやすいのに 10冊分に相当する密度のことを手際よく述べている感じ。 経済と歴史と文化風俗、国家論のクロスオーバーが絶妙なんですね。 少々欧米に対して冷徹で中国に対してヨイショしてる部分が 目立つのは意見が分かれそうなトコロ。しかし客観的視点に立てば 今後中国との付き合いや国際社会での発言は(好き嫌いは別にして) 深まっていくことは間違いないので、気をぬかず付き合っていくってのが正解なんでしょうね 本書で示される通り、グローバル経済はやがて行き詰まり、地域地産に贈与的な 流れへと時間をかけつつ戻っていくって流れは自然な流れ出し、方向性としても 正解だとも思うのでいち早く日本がそのモデルになってほしいし 先進諸国では最もそのポテンシャルを秘めている国だとも思うのです。 日本ってのは非西洋社会でありながら 西洋と価値観や社会風土はかなり隔たっていてにもかかわらず いち早く西洋化し、社会インフラが整っている国な訳で。 ただあの震災を1年経ても尚、決定的にそういった方向への回帰の 兆しも見えず、新しい産業も出てくる気配がなく twitterにスマホに地デジとコンテンツやハードウェアが時代をリードしても、それを使って おもしろい文化なり停滞感を脱する気配がこうも感じられないってとこに昨今の日本が抜けきれない 何かふかーーい溝が横たわってる気がします。 ![]() 様相を呈するタブレットや携帯端末業界、1000兆円の大台に乗ろうとする国債 日銀の介入を受けても1ドル70円台を脱せず 年収300万を切る30台が半数を占めるニュースやら TPP問題やらきな臭いニュースが並んでおります。それでも、というか世界中が混乱にある現在 貧しくなりつつもこれだけ普通に日常が遅れてる分 なんだかんだで日本は凄いと思うのです。 若者のライフスタイルの適応も迅速だしw しかし官の方の取り組みはゴテゴテだし00年代を振り返ると だいぶやらかしちゃった感はある。日本が国際的に いよいよ落ち目になってきたのはここ5年だとおもうのですが 本書はそのきっかけはその前5年の小泉政権期にあり、あの時期の先を 見越した判断の誤りが製造苦境や社会問題の主にここ数年の 大幅な行き詰まり、停滞を招いたと指摘。その処方箋も示されています。 たとえば素人目に思う範囲でも最近amazon使ってて、思うのが かのデジキューブを生かしていまやマックを凌ぐ店舗数を誇るセブンイレブン そこに日本の流通事情の旨みを生かし、お堅い著作権至上主義を 儲けるから乗って来いという姿勢で手早く動かし PS2とPSオンラインとソニー初のソフトウェアとウォークマンやPSPを 連動させていればamazonを脅かすサービスを日本から発信できた可能性もあり ゲーム業界やレコード業界の再編も進んだかもしれないし そこにe-book offなどを絡めれば中古市場と住み分けながら オンラインのサービスはもっと充実できたと思うのですが いまさらセブン&Yがamazonに追従してきてもどうにも手遅れ PC主導の米国に対してTV+付属機器で常に対抗してきた日本が 完全にPCや各種ソフトウェア業界に主導を握られちゃった10年となってしまい。 ここに現れるように今の30代、40代の世代がおそらく得意とする 外部ソフトウェアとの提携や著作権型を守りながらもサービスの ありかたを柔軟に変え、業界再編をしてセールスを移行させてく やりかたが本当に鈍く、けっきょく中身の付加価値(ハード面)に 拘り過ぎたのが主に現在の製造面の苦境に繋がっていると思われます。 ハードに拘った日本は=「垂直統合型」に拘りすぎた 80年代製造業で日本にやられまくった米国はソフトウェアを育て 外側(製造=ハード)を外注に安価で作らせてしまう「水平分業型」に移行 結果、けっきょく新興国(主に台湾や中国)がハードを安価に作る現在 ソフトウェアの大手を要する米国勢に大幅に旨みがいきわたり ハードを一括管理する国産メーカーは大いに苦戦する現状が訪れてしまったという。 無論これは製造業の分野に限った話で医療や農業、環境ビジネス、雇用 あらゆる分野への機能不全、決断の不備に話が及んでいます この本の偉いとこはあの原発事故の前に発売 されてるのにも関わらず原発産業の危うさを指摘していたこと ゆえに他のテーマにも先見性というか説得力が増してるとこにあります。 常にニュースをよくチェックしてる人にはいまさらな話題も多いのですが・・・ とりあえず、今後激しさを増していくだろう環境=エコ産業に関しては (ここでもかつて有利に動いていた状態を見誤って米独に遅れをとってるようですが) イニシアティブをとってもらいたいし、家電や製造業ではアップル・サムスン態勢が 崩れてくるであろう5年後に備えて、あれこれ先手をうっていて欲しいと願っております。 まぁ国産にそこまで拘らなくてもとは思うんだけどねw やっぱり心情としては頑張ってもらいたいから。 ![]() 隣国との諍いが多く工業国として発達しながらも世紀に掛かる頃その限界に直面し 変換を迫られる点(イギリスは金融、日本はまだ??) 長い歴史をもつ王室が政治権力とは別に存在している点などなど イギリスは日本と実に共通点がおおかろう国だと思います その際にとられた悪しき植民地政策 (太古からある奴隷制度と区別するなら「特定の人種だけに限られた」奴隷制度) はフォローのしようもないですが ただもし日本の工業国としての全盛期が100年前だったら必然的に植民地経済に のり出さざるをえなかった訳で、まぁその必要がなく 内需で十分としてたから鎖国もしていたんでしょーが 今日の便利な生活の原型は当時のイギリスの植民地政策のノウハウがあったればこそ ともいえるわけで、そのへんは複雑なもんがありますね。。 しかし近代化の過程にあっていかにイギリスが激烈でかつ急進的だったかが 本書でよく分かります。内部にはスコットランド、アイルランド 外部にフランスや独立したアメリカ 植民地としてのカナダ、オーストラリア、南アフリカを巻き込んで あの小さい島国にどんだけバイタリティがあったんだと驚く反面 搾取するだけした植民地問題を棚上げし得意の二枚舌(三枚舌)で ナショナリズムを煽り、今日の民族紛争の種を植え付けておきながら 「野蛮な文明を開拓し文明を授ける自愛にあふれた国家」ってな言い分はかなり苦しいものが ありますがww (もっとも国土の大半を支える下層農民はそんな奴隷の存在すら 長い間ほとんど知らされていなかったという事実もある訳ですが) そんな7つの海を支配する大英植民帝国を日英同盟でロシアに対抗した同士の 日本が20世紀中にズタズタにして さらに同一規格大量生産で半世紀後には工業国の最先端として20世紀後半をリードし 同じ島国で長い歴史の皇室もあり、なのに地球の表と裏ぐらい離れている というのが面白くも奇妙な関係だなぁと改めて思います。 あとは女王ひいては皇室のアイデンティティの変化。 国王は君臨すれども統治せずとは有名なイギリス王室のスタンスですが ヴィクトリア女王期に政治的かかわりより植民地も含めて女性の王様として その私生活や家庭生活を切り売りすることで政治の内実よりも イメージとして人々に信仰させる対象となった、その転換が面白い いまのイギリスの王室に延々とつづく、そして日本の戦後の皇室の あり方にも影響を与えたであろうその原型が、このヴィクトリア女王期に見られるという。 本書はどーも奴隷というスポットに焦点を当てがちなんで加害者の面に目がいきがちですが 世界をほぼ制覇した大帝国のその力の源泉やそれゆえの苦労 それから現代我々が日常的に接してる公共施設(動物園、図書館。博物館)の成り立ち 紅茶や女性の社会進出など英国の魅力にもザックリ切り込んでいます。 ただこういう歴史ものはやはり先の時代から辿っていかないと不利だなぁと思う点は カトリックやプロテスタント、あるいはローマ文明のけっこう深いレベルでの知識を 前提にしてないと全体の概要は困難だということ。 まぁ一冊の物語で言えば8章~13章くらいの部分を切り取ってるんだから無理もない話でもあるんですが。 ![]() 3.11以降どうしていいか分からないからその糸口欲して、とかではなく (本来はそういうとこが売りなジャンルだと思うんですが) 思想+作品批評を混ぜたようなそれではなく 単にサブカルを通じていまの時代のムードを割り出す構図が面白いから、であって 私的に完全な娯楽になってるんですが まぁサブカルを通じた社会学のお手本をみたい、みたいな感じ。 それにしても「村上春樹」と「平成ライダー」と「AKB」を横断して語れるなんてのは著者 ならではの切り口で、通常ではおよそ接点のない離れたカルチャーを横断するのは フォローする範囲に脈絡がない人ほど快感なはず しかし著者の宇野さん「ハルヒ座談会」とか「ゼロ年代の想像力」の頃は もっと的確な語りをする魅力があったんだけど最近はなんか文芸論壇で プロレス繰り広げてるイメージばっかりで 語り口もなんだか以前のようなキレがなくなったなぁと感じてたんですが でもこの本に関しちゃロジックが旨い この展開の仕方が正解ではなく、100通りくらいありそうな切り口から 1通りの作者が正解とする方向を導いて、そこに色んな作品を盛り込んで補強してあるんですが でも、その展開の仕方、著者なりの視点がかなり旨いんです。 その点でビッグブラザーとリトルピープルという題材を掲げ 春樹と主に平成ライダーを対比させたいった点は 成功しています。かなり込み入った展開をさせているので レビューにあげるのが非常に難しいですが一部旨かった点を抜粋していくことにします。 春樹の小説はビッグブラザー(大きな物語)が解体されていった80年代以降 ナルシシズムの記述(世界の終わり)は洗練されていく一方で 自身がそれを強く思考しながらも新しい世界の「悪」=「敵」の設定 「ハードボイルドワンダーランド」には苦戦しつづけている。 そしてそれのターニングポイントとなるのがその2つをタイトルに据えた 同作からだ、と定義づけている。ここに春樹の力を持ってしても据え切れない 文学的限界がある、で国内のジャンクなカルチャーは以外にそこを 軽がると飛び越えているという理論から様々な異色なカルチャーとの 対比、主に平成ライダーへの話に及んでいき まず、仮面ライダーアギトにおけるアンノウン (ビッグブラザーを失いその生を意味づけるアイデンティティを失ったもの)を等身大の生活を 望まず覚醒する能力を求める=死 一方超能力者でない人々、それを問題視しない人々はポストモダン的アイデンティティ不安を 克服した(国家や社会に頼らず)自力でそれを見つけて生き延びる人という定義にはじまり 龍騎におけるライダーバトルはすべての価値観が等価であり 正義の価値観がばらばらになっている。 グローバル化と合わせて1つの絶対的な正義(ビッグブラザー)から それぞれの正義(リトルピープル)時代への象徴とし キバの音也とファンガイアの関係を通して「大きな父性」が1986年に終わりを継げたと展開 そんでもって最終的にWにおける祥太郎を「ハードバイルドワンダーランド」 フィリップを「世界の終わり」に据えたロジックは見事 たぶん最初に春樹とライダーを結びつけたときも最後に ここに持ってくることをゴールとしてたことは間違いないww この後、AKBやpixivやミクなどいわゆる「ハルヒ」以降の キャラクター消費を経て現実の風景にキャラクターが拡散していく様を 仮想現実から拡張現実軸への変化して展開しているのですが このビッグブラザーからリトルピープルへ創作から現実への干渉 拡散というスタイルはメタルギアソリッドやmoonやガンパレでも解説できるし (一応著者の編集するプラネッツでは別のライターによって このへんは大いに語られてはいるんですけどね。。。) ここではないどこか、終わりなき日常をへて、いまここへという著者のかかげる 意識の変化に過敏に対応したのは案外ちょっと前にJ-POPやロックだったりするのですが (GLAYからスーパーカー経由でFISHMANSや椎名林檎とかね) どうしてもこのへんを語る時、アニメやドラマ、小説など「物語的なもの」に 傾いてしまう視点は著者の相変わらずな欠点だなぁ~とも。 そのへんまで絡めて万遍なく論じられてれば文句なしに時代を捉えたと言えるんだけどね。。。 そもそも非現実が現実に干渉し拡張していくだけが現在日本を支える空気だとも思わないし どちらかといえば完全に現実は現実、仮想現実は仮想現実として 割り切って進化したほうがディープで明快なものができると思う派なので (最近和ゲーがイマイチで比較すると洋ゲーの方が濃いのも、つながりを武器にしたツールは ほとんどは米国から発信されてきて、それを日本風に味付けしたものがかつてのように 世界に伝播しないで国内でしかウケなくなってきてる元凶は、上記にあると思っているので。。。) いまは過渡期なんじゃーないかな、と思うわけです。 ただリトルピープル、ビッグブラザーの二軸に展開の仕方に関してはお見事!と言える そんな宇野さんの最新作でございました。でもやっぱり ゼロ年代の想像力ほどのインパクトはないかなぁ。
☆お気に入り
内向きの世界帝国日本の時代がやってくる☆ 日本を創った12人 ヤンキー文化論序説 ゼロ年代のすべて 民主主義が一度もなかった国日本 自分の小さな箱から脱出する方法☆ 興亡の世界史☆ 日本の難点☆ 日本はどれほどいい国か 殺人現場を歩く 草食系男子の恋愛学 オタクはすでに死んでいる いまこそマルクスを読み返す ゼロ年代の創造力☆ 英仏百年戦争 ロックフェラーに翻弄される日本 動物化するポストモダン☆ 世界征服は可能か?☆ 文明の衝突と21世紀の日本☆ 100文字で分かる世界の宗教☆ いわゆるA級戦犯―ゴー宣SPECIAL 今がわかる時代がわかる世界地図 (2006年版)☆ 面白いほどよくわかる世界史 セブンイレブン創業の奇蹟☆ 国家の品格☆ 下流社会 最終版 間違いだらけのクルマ選び 細野真宏の世界一わかりやすい株の本☆ ![]() あえて日本いけてる本を読んでみようと ただ、あまり過剰なヨイショはトンデモ理論に なりがち。この本も見出しでそこんとこ少し危惧してたんですが Amazonでのレビュー、評判がなかなかのものだったので購入 内容的にはほぼエネルギー転換による帝国循環論が書かれています スペイン(海軍、略奪)、オランダ(風車、通商)、イギリス(蒸気、植民) アメリカ(石油、移民) 世界の覇権を握った国は 必ず人口減少(ペスト流行、戦争による人口減) を経験したあと高度成長の波に乗り その後長い長い金融恐慌に陥ったあとに世界の覇権が転がり込んでくる 日本ではこれが太平洋戦争、高度経済成長 バブル崩壊といったルートで当てはまる さらに先進国で唯一都市にがっちり鉄道網が組み込まれ 完全にクルマ型社会にならなかったことがキーとなり これにより都市集中型の新しい覇権国家となること エネルギー転換としては具体的な何かではなく省エネ型の社会になるだろうとの予測。 また最初の世界覇権国になったスペインは常にイスラム(オスマン・トルコ)の 脅威と隣り合わせでその進んだ点を常に目にしてきたため上記4国中でも とりわけ長い覇権を手にすることができた これが明治以降150年欧米と競り合い ヨーロッパ→アジアの転換点となる日本にもあてはまるという指摘。 現在の覇権国家アメリカと時期最大候補中国については 国債を日本や中国が下支えすることで メイドインアメリカブランドがほぼ成り立っていないのに その稼ぎ以上の生活水準を維持していたアメリカと 農村と都市部の格差、民族間、土地バブルのリスク以上に 10パーセント成長の稼ぎを工場の設備投資や民間の生活水準向上に廻さず 価値が変動する、アメリカ国債にあえてガンガンつぎこむことで 低価格・大量生産スタイルを保持 ベトナムやインドに世界の工場の地位を完全に明け渡してこなかったツケに キチンとした技術向上や庶民の所得を抑えている中国 どちらもサブプライムローンが契機となりアメリカ国債の価値がジワジワと 下がっているのに対し 中国に次ぐアメリカ国債の保持率と 企業の設備投資、一般大衆の生活水準をコツコツ還元し 仮に国債を売っぱらっても 元来の勤勉な習性をもつ国民性でカバーできるメリットのある日本の優位性を指摘 各国のパワーバランスも絡み現実にはなかなか実行はできないものの いざとなった場合の日本の潜在的経済パワーの大きさを指摘してます 全部が全部なるほど!とは思えず一部苦しいところもあって 例えば著者が言うとおり、日本の成長は東京、名古屋、大阪を中心とした 都市型国家となるのが不可欠になった場合、地方は整備された農園として 諸外国に解放されるってのはあり方としてはちと苦しいところだし 地方民としては納得できないところ もうじき1000兆円の大台に乗る国債のリスクについて具体的に 触れられていないのも苦しいところ 製造を中心にした第二次産業からサービスを中心にした第三次産業への転換 それにともない立地条件が変化し地方→都市への集中 クルマ→電車社会への転換、それに伴い アニメやゲームがより輸出産業の主要となるという指摘も 日本は既にゲーム先進国ではないし産業としても緩やかに斜陽 アニメはパッケージ商法が世界基準で確立されず(単品で売りだせるうえ 世界中で利益回収ができるため低価格リリースまでできるハリウッド映画に対し 基本、続刊やボックスとなりマニア価格で制作費回収せざるを得ないアニメはやはり不利 ただし膨大なストックからチマチマ課金するラインなら、アリ?) 現状、7~8割はニッチ需要だし、邦楽・ゲームと同じく世界市場で勝負できる公算のある ハイブロウな作品が減り、より手堅くニッチ(萌え・BL)な方に向ってるのが赤信号 普遍的且つ元気なのは(王道の)ジャンプアニメくらい? でも帝国循環論をテーマに詳細ににレクチャーされてるので 説得力はあります。現実には2パーセント成長にも満足に届かずデフレの波に襲われてますが もしかしたら。と思わせる力のある内容です。はい。 ![]() それぞれのええとこどりをして、落とし所をつくる、逆に面倒な背景は切り捨て、形だけ取り入れる =バレンタインや教会での婚姻など、キリスト教の綺麗でカッコよさげなとこだけ取り入れ 信仰心や洗礼のような(争いのもとになる)面倒な部分は取り入れない というような風潮を根付かせた聖徳太子。 明治時代に近代科学や民主主義を取り入れたときも欧米が辿った 個人と国家と宗教とのアイデンティティの対立や血を流す革命を起こさず 形だけスパッと取り入れたとこなんかもこの流れで でも、思想や制度の奥の奥まで理解しないで形だけ取り入れて やがて、そのひずみが発生するってのは、その弊害が思いっきり噴出してる現在において顕著。 また、貴族=強いではなく、貴族=華やかなイメージを作り 社長や議員はお飾りでもよしという風潮を作った(架空の人物ですが)光源氏 朝廷と武家政権の役割をハッキリ分け、これが総理と天皇、官僚と大臣、社長に専務のような 象徴するものと実行するものという権力の二重構造を生み それが組織における担当者の分担にも繋がり、印鑑一つもらうのに 責任者がどこの所属かわからずたらい回しにされる弊害と それによって、一人が大きな責任を負わないリスク低減な 組織を作る大元となった、源頼朝の政治、などなど 日本になんとなく蔓延している思想のルーツを12人に絞って解説 普段思う、日本のおかしいと思う部分逆に便利だ、器用だと思うの点のルーツが 分かりやすーく理解できます。こういうのは刷り込みに使いもので、当たり前になってるから 疑問を持たないと、見えてこない部分って多々あると思います。 かなり作者の持論も入ってるでしょうが、聖徳太子のええとこどりなんかは よく聴かれる意見でもあるし、仏教、儒教などが よくわからなくてもそれぞれどういう特徴があり、どう改良したかをを簡潔に説明してあるので 極めて伝わりやすい、かなりの良著ではないかなーと思います。 とりあえず現代日本の大衆志向に刷り込まれてる国民感情・風習の ルーツを探りたい方は必見。 ![]() ワタクシ的には大学時代の頃にもうまったりインテリ気質でいこうよとなったため この3大気質からは いつの間にか遠ざかってしまいましたが・・そうはいってもこの3大気質が日本人の大部分を 締めているのは間違いなく、いわゆる「一般」な方々も これらのムードが日常的な周囲の人間関係に占める割合がどれだけあるかで 少なからずそのライフスタイルに影響を与えているはず。 うちミーハー気質は=流行なので、日夜マスコミが 大量に流す宣伝である程度左右される部分もあり オタク文化は00年代ネット社会との親和性の高さから 主にネットの世界では何かと目に触れる機会が多いのですが。 その一方、すっかりナリを潜めつつあるように思えるのがヤンキー文化 確かにステレオタイプのヤンキーこそ影が薄くなってますが その文化、及び気質は実は到る処に見られます。 他の文化と違うのははっきり商売として存在するものではなく 日常的に身近に氾濫しているものが多いため、意識しないと気がつかないものだったり。 本書を見て、新しく気づいたことは、地方から発生し、東京の文化圏の匂いが薄まれば 薄まるほど、ヤンキー圏の匂いは強くなるという件。 仮に発生源が都会だったとしても 基本的に地方に伝播して育まれ、変質してきた文化なんですよね。 また、かつてのリーゼントに特攻服、今日のギャル男、キャバ嬢、コギャル、B-BOYのような 当事者そのものが、ヤンキー気質で固められたいかにも、なものでなく 歌舞伎に見られる「過剰さ」が転じてケータイのキラキラに通じるような 日本人のDNAに確実に潜んでいる、どこかケバさを伴ったゴージャス嗜好 (日本人の美意識を放置すると金閣寺になってオシマイ、はまさに名言) また過剰な装飾や出で立ちと相対化するような「ファンシーさ」「ユーモアさ」 同じくヤンキーの二重性の特色「ヤンチャに見えて純情」「ワルだけど情に熱い」 こういったヤンキーの様式やアイコンを売りにした商品に対する 「普通の人」に潜む潜在的な需要は(ナンシー関によると) 推定ではおよそ3000万近くに上るらしく(?) かつて一世を風靡した「なめ猫」や「銀蠅」そして「氣志團」もその流れ 濃さが薄まって拡散し、一般層にまで拡大したのが今日の形だそう 以下、本書で言う日常にそこはかとなく潜むヤンキー的な事象のうちなるほど!と思った例 ・「光りもの」へのこだわり…車に装着するブラックライトやアンダーネオン、家の外壁の イルミネーション、あるいはルミナリエ ・ジャージ、ゴールドのネックレス、セカンドバッグ、ジャンボカット ・好まれる場所としてのドンキホーテ、パチンコ屋、競馬場 地方の街道沿いのスーパー、ショッピングモールetc.. つまり一種の「バッド・センス」 いかがわしさと悪っぽさ、地方特有、そしてうっすらゴージャス嗜好。 そして、王道ヤンキーDNAもストリートの融合を得て、チーマー、B-BOY、コギャル、ギャル男 それらカリスマとしての、浜崎あゆみや湘南の風、EXILEなどに脈々と受け継がれています。 さらに本書はこれらが集約されたものが、地方の「祭り」と説き 最近「日本を作った12人」を本書と連続する形でたまたまこの本を読んでますが 日本が伝統的に育んできた組織や習慣的に実に巧みに 吸収し、取り入れてきたのもこのヤンキー文化なんですね。 一方でドロップアウトをしたヤンキーを掬いあげる職人の世界が 習うことから技能実力主義になったことで機能不全になりつつあるという危機感も警鐘してます。 とかく地方に住んでいると到るところでこの ヤンキー臭さを目の当たりにし、少々うんざりすることもあるんですが (そのため本書を読んでもこれだ!というほどの珍しい視点は見つからなかったり) そこからも文壇的に何かを語るのがやや困難なカテゴリであるのは確かで、でも 文化的にひっじょーに面白いものであることは間違いないです。はい。 ![]() 韓流、純愛、お笑い、アキバ、ニンテンドー、SNS 全てこの年が臨界点、か、普及への足がかりになった節になる年 また別の畑ではロックフェスやお兄系みたいな潮流が活発だったのもこの辺 小泉劇場型政権の果ての郵政民営化、そして平成の大合併 ホリエモン逮捕、電車男(ドラマ)、i-podによるApple躍進もこの年でした。 PS2がさいごっぺに意欲作を排出したのもこの年。 そして、賛否激しく分かれる後半の芽 ひな壇芸人、なんでもジャニ、萌え・腐女子、知育系ブーム、リメイク連発(ハリウッド) ドラマ・コミック原作映画の氾濫ってな流れへ 大きく変化していく(浸透はもっと前)のが、この年から翌年にかけてですね。 さて、そんな00年代を総括する惑星開発委員会の同人誌? サブカルや文芸、社会学な論壇で著名な方たちが各界のこの10年をまとめています 映画、小説、ドラマ、ゲーム、アニメ、漫画、音楽、舞台、お笑いなどなど。 ゼロ年代は90年代の延長だったこれ日本の各界に限らず、世界規模でも 同じ認識なようで、経済だけでなく文化的にも 停滞した10年だったというのは共通しているよう。。 (79→89、89→99に比べ99→09の変化は凄く緩やかで 特に服装や髪形の流行、各界王道のスタイルに大きな変化が見られない、という。。) 本誌での日本の各界の議論も00年代前半、あるいは半ば(05年あたり) まで意欲作はそこそこ出ていたものの、後半が失速したという意見が多く セールスだけに限ってみれば、00年01年という90年代の余波があった 最初の2年こそ勢いがあったものの、あとは旧降下していくという なんとも寂しい状況になっています。 逆にいえば、これが正解とかみんなでこれを見よう、聞こうという 全体意識がなくなり、各々自由なスタイルがより顕著におっけーになった時代。 その結果、島宇宙化がどんどん進んだ時代とも言えるのではないでしょーか。 90年代からの差別化を強調するなら、やはりネットに集約された10年なんじゃーないかと。 また80年代の俗っぽ(お茶の間)さ、アングラ系なら80年代のシュールさが巻き返してきて その点に関しては90年代のクールさがむしろ後退した時代だったとも思います。 アイドルが消え歌姫がダンスをするようになりブラックミュージックが台頭した90年代 ゼロ年代は身にまとった衣装やメンタリティは90年代を引き継ぎながら 歌姫が歌謡曲に回帰し、アイドルが形を変えつつも復権した時代 クラブミュージックやDTMがボーカロイドに変わったような変化ですか。 ブームや文化の下地や芽は90年代と共有しつつも ネットによる変化が加わり奇妙な方向へ変化したのもまた「ゼロ年代」だったのかも。 目玉の座談会は本書に集まった著名人ってのが 各々理論武装しつつけっこーあけすけに 毒舌なので、まぁとても全面的には同意できないとこもありますがw (読む人が読むと怒るでしょう(汗)) でも、皆視点は鋭く、業界人も多いので あーわかるわかるという目から鱗の視点も多く、思想系が若干入った 国内エンタメのゼロ年代の総括あるいはナビとしてそこそこ参考になります。 ただ、期待してたたほどその「ナビ」の機能はないんですよね。 それこそ00年代の始まった時、ナビの役割を果たしてくれた 「サブカルチャー世界遺産」みたいなのを期待してたんですが 全体の意見を特定の方向に誘導(特にサヴァイブ系ってやつね)し そこに向いてる作品だけをやけに持ち上げてるのが残念。 何より新しい「創造力」に着眼してるため、テーマが座談会的には新しくないと 評価は厳しいよって感じでしょうか、単純な面白さとはまた別種の解釈。 宇野氏だけの話をまとめた「ゼロ年代の創造力」は 意見がまとまってる分、読みやすくて面白かったんだけどねェ。 一方でこの手の本ではなにかとアニメやラノベに偏り あるいは映画や文学といった方面に偏り、となるところを軽々と行き来してるのが痛快。 果てはドラマやJ-POP方面にまで手を伸ばしてるのが面白い。 純文学、エンタメ小説とラノベ、ケータイ小説を同じ土俵で語れるのは こういうサブカル誌ならではでしょう。 そういう視点をもちつつさらに一歩踏み込んだ視点の総合誌って他にないしね。。。 ただ、音楽の面、J-POPはJ-RPCK方面に対する視点が 全体から見たニュートラルな視点での触れかたとしても、一歩及んでないと思うし おもしろいとこではドラマではゼロ年代各界通じて結局新しかったのは「木更津キャッツアイ」 という意見は解説を見るとなるほど、と思います このへんはゼロ年代の創造力でも触れているあたりですが。 ちなみにこれはPLANETSのスペシャル版みたいなものなんで 通常は季刊でその時々の話題作を切るという形になってます。 ![]() 宮台伸治は過激だけど抽象的な言い回しが多いところを福田氏が分かりやすく補ってる感じ? 民主党になっても相変わらず日本は右往左往してる感じがしますが 繰り返し強調されてるのは、賛否分かれそうな宮台氏の 「軽武装+依存」から「重武装+中立」へのシフト 日本の権益を守るために重武装する、そのために必要なら 謝罪も繰り返しする(ただし、大目標を見据えての謝罪) また民主は長期的なスパンでものを考えているので 即効性でなく3年後、4年語を見据えての動き、と 即効性でみると唐突、もしくは損にみえることが長期的には安定につながる また本音と建前の本音の部分を読み取ってほしいというな発言が多かったように思います。 この本音と建前の行間を読み、それが暗黙の了解として 理解されるというのは欧米なんかでは、一般化しているらしく表向きの発言一つや 各省のないデータで噴き上がりやすい日本はこの点、まだまだ改善していく余地がある、と 政治に関しちゃトーシロなんであまりザックリ斬りこんだ 話はできないのですが、結局積み重ねではなくコロコロ首相によって制作の方針が変わることと マスコミの(どの政党になっても変わらない) ネガティブな揚げ足取り、がひいては国民の政治離れを加速させてる訳で 3年たったら何かよくなってきたのが実感され得れば指示にも繋がるし またもう日本そのものが洒落んならんヤバクなってきてるので マスコミも国民も勉強してかなきゃいけないんじゃないかなということはよーーくわかります。 経済は一流でも外交では蚊帳の外がようやく表にあがってきたと みなされてるのは間違いないんだろーし いずれにしろ、民意は民主寄りになっての政権交代 自民にはお灸を据えるという意味での政権交代は有効なのだから まだしばらくはお手並み拝見状態でしょう。と、同時にもっと政治のことも勉強していかないとねェ・・・ < 前のページ次のページ >
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