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by kgapk2004
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ドミノ

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真面目な青春劇を書くと私立の坊っちゃん嬢ちゃんが
将来の進路で迷ったり、都市伝説(?)を追っかけたりと妙に上品な話にまとまってしまい
その少女漫画臭がちょいと鼻につく恩田陸
一方で孤島や田舎ミステリーに挑戦したり、本をキーワードにした連作長編を書いたり
タイムトラべル転生モノやQ&A形式のミステリー
(同時期に宮部みゆきもやってましたが。。)
などなかなかトリッキーも多く、目が離せない作家のひとりなんですが
本作は群像劇に挑戦。それもミステリーではなくコメディというかドタバタで
ただ群像劇でドタバタやるならエンタメ小説より、今はラノベの方が無茶できる分で有利かも
ミステリーならよかったのになぁという気がしないでもない。
コメディだとむしろ一般小説の縛りが足かせになったりするので。。
で、まぁ群像劇としてもドタバタとしてもそれなりよくできてるんですが
全てが平均点、突出した部分がないのです。。
もともとこの人の小説はその題材の魅力が7割くらい
残りは中盤ぐらいまでおっと思わせる展開があれどラストがあっさりして拍子抜けという
パターンが多いのですが、本作も当初の群像劇の末に何か特別なカタルシスでもないか
という期待からするとあっさりめでがっかり。
これはバラバラに進行していたものがおさまるとこに(元あるとこに戻った?)パターンで
各々が間接的に関わってラストの大団円に向けて収束という
カタルシスを期待しすぎたせいなのかも

しかし、着実にエンタメ小説のスタイルに挑戦しているのは明らかで
おそらく(ハードカバー版は)登場人物全員扉でで絵で紹介という手法
何より20人近い登場人物を背景まで含めてちゃんと描き分けていて
大きく破綻していないってのはやっぱり驚異的です。
ただその技法だけ独り歩きしちゃって筋書き自体は平凡って感じに。。
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by kgapk2004 | 2010-08-26 23:27 | ブックレビュー

パンズラビリンス

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探してた映画が二本とも置いてなかったんでジャケ借りした一本
この年のアカデミー賞で結構いろんな部門をさらったみたい
内容的にはダークファンタジーを期待してたんですが
暗いなー・・・ファンタジーというより
(ある程度予想してましたが)アンネの日記だったって感じ?
最近のハリウッドはダークな脚本が増えてますね
善悪がはっきりしない日本のものや
感性重視なヨーロッパ系に比べ基本的に白黒はっきりつけたがるのが
ハリウッドだと思うんですが、そこはやはりダークファンタジー
かなりやるせない話になってます。
ただあの結末はベストととれなくもないのかな?
観る前には大佐による少女へのエゲツない虐待シーンとかありゃしないかと
構えてたんですが(解説だとそんな感じの書かれ方だったし)
そのへんはひじょーにソフトだったんで安心しましたが・・・
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by kgapk2004 | 2010-08-16 23:47 | シネマレビュー

空気人形

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これもけっこー話題になってましたよね、最近やたらと邦画に出てる板尾さんに
オダギリジョー、ARATAと邦画界隈では豪華なメンツが揃ってます
監督はワンダフルライフの人と後で知り・・・
主演のペ・ドゥナが脱ぎまくってますが
不思議とあんまやらしいかんじがしなくて東京の一角の淡々と捉えた景観とあいまって
綺麗な寓話に仕上がってます。
意思を持ったダッチワイフを通して逆説的に心を亡くしつつある現代人を描くとかそんな感じ
でもラストはまんま直前のパンズラビリンスと一緒でちょっとへこんだとゆうかなんというか。。
たまたま借りた日本が似た結末って凄い偶然だわ。。。
でもこっちはあくまで寓話的、哀しいけど最後まで綺麗な映画なのが救いかなぁ
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by kgapk2004 | 2010-08-16 23:45 | シネマレビュー

kikUUiki

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エレクトロサウンドに和ビートが絡み非常にノリやすいサウンドになってます
名前から敬遠してましたがいいですねェサカナクション
エレクトロにフォーク風なボーカルが乗り内向的な詞がのっかるって
チームロックやワールドイズマインの頃のくるりなんですが
そこに下北系を通過した世代ならではの感性で
よりクラブサウンドと(ポップな)バンドサウンドが分かりやすくも理想的に融合した感じ。
予想した範囲でのサウンドだったり詞の雰囲気だったりするんですが
予想外に完成度が高くてビックリ、こないだレビューで取りあげた
school food ounishmentもそうですが
最近は歌モノに違和感無く打ち込みをのっけるバンドで
優等生が増えてきた気がします。
エレクトロを必要以上に強調しすぎもしなければ持て余してもいない、という。
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by kgapk2004 | 2010-08-16 23:16 | 音楽レビュー

廃墟建築士

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となり町戦争と同じく奇妙にズレた理がある奇妙な世界を描いた物語4編
廃墟を舞台にするとは着眼点が憎いw
でもオチがちびっと弱い、主役は人でなく建造物の方にあって
それがどれだけ魅力的に描写できるかがキモだと
個人的にゃ思うんですがけっきょく登場人物のパーソナルな問題が
クローズアップされる形となり
これは怪獣映画やディザスター映画で登場人物の葛藤に7割8割割かれてて
期待してたほど派手なシーンがなかったガッカリ感に近い
これは「失われた町」の時に感じたことで
そういう点ではデビュー作の「となり町戦争」くらいの
バランスが思えば一番よかったような
ただ「となり町戦争」は逆に人間描写が淡々とし過ぎてたんですよねェ・・・
また世界観が独り歩きして、単にシュールな感じになってる感もあり
一歩間違うとギャグになってしまうシーンも多し(いくらか狙ってると思いますがw)
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by kgapk2004 | 2010-08-16 23:14 | ブックレビュー
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最近日本沈没論があまりに目につくので
あえて日本いけてる本を読んでみようと
ただ、あまり過剰なヨイショはトンデモ理論に
なりがち。この本も見出しでそこんとこ少し危惧してたんですが
Amazonでのレビュー、評判がなかなかのものだったので購入


内容的にはほぼエネルギー転換による帝国循環論が書かれています
スペイン(海軍、略奪)、オランダ(風車、通商)、イギリス(蒸気、植民)
アメリカ(石油、移民)
世界の覇権を握った国は
必ず人口減少(ペスト流行、戦争による人口減)
を経験したあと高度成長の波に乗り
その後長い長い金融恐慌に陥ったあとに世界の覇権が転がり込んでくる
日本ではこれが太平洋戦争、高度経済成長
バブル崩壊といったルートで当てはまる
さらに先進国で唯一都市にがっちり鉄道網が組み込まれ
完全にクルマ型社会にならなかったことがキーとなり
これにより都市集中型の新しい覇権国家となること
エネルギー転換としては具体的な何かではなく省エネ型の社会になるだろうとの予測。
また最初の世界覇権国になったスペインは常にイスラム(オスマン・トルコ)の
脅威と隣り合わせでその進んだ点を常に目にしてきたため上記4国中でも
とりわけ長い覇権を手にすることができた
これが明治以降150年欧米と競り合い
ヨーロッパ→アジアの転換点となる日本にもあてはまるという指摘。


現在の覇権国家アメリカと時期最大候補中国については
国債を日本や中国が下支えすることで
メイドインアメリカブランドがほぼ成り立っていないのに
その稼ぎ以上の生活水準を維持していたアメリカと
農村と都市部の格差、民族間、土地バブルのリスク以上に
10パーセント成長の稼ぎを工場の設備投資や民間の生活水準向上に廻さず
価値が変動する、アメリカ国債にあえてガンガンつぎこむことで
低価格・大量生産スタイルを保持
ベトナムやインドに世界の工場の地位を完全に明け渡してこなかったツケに
キチンとした技術向上や庶民の所得を抑えている中国
どちらもサブプライムローンが契機となりアメリカ国債の価値がジワジワと
下がっているのに対し
中国に次ぐアメリカ国債の保持率と
企業の設備投資、一般大衆の生活水準をコツコツ還元し
仮に国債を売っぱらっても
元来の勤勉な習性をもつ国民性でカバーできるメリットのある日本の優位性を指摘
各国のパワーバランスも絡み現実にはなかなか実行はできないものの
いざとなった場合の日本の潜在的経済パワーの大きさを指摘してます
全部が全部なるほど!とは思えず一部苦しいところもあって
例えば著者が言うとおり、日本の成長は東京、名古屋、大阪を中心とした
都市型国家となるのが不可欠になった場合、地方は整備された農園として
諸外国に解放されるってのはあり方としてはちと苦しいところだし
地方民としては納得できないところ
もうじき1000兆円の大台に乗る国債のリスクについて具体的に
触れられていないのも苦しいところ
製造を中心にした第二次産業からサービスを中心にした第三次産業への転換
それにともない立地条件が変化し地方→都市への集中
クルマ→電車社会への転換、それに伴い
アニメやゲームがより輸出産業の主要となるという指摘も
日本は既にゲーム先進国ではないし産業としても緩やかに斜陽
アニメはパッケージ商法が世界基準で確立されず(単品で売りだせるうえ
世界中で利益回収ができるため低価格リリースまでできるハリウッド映画に対し
基本、続刊やボックスとなりマニア価格で制作費回収せざるを得ないアニメはやはり不利
ただし膨大なストックからチマチマ課金するラインなら、アリ?)
現状、7~8割はニッチ需要だし、邦楽・ゲームと同じく世界市場で勝負できる公算のある
ハイブロウな作品が減り、より手堅くニッチ(萌え・BL)な方に向ってるのが赤信号
普遍的且つ元気なのは(王道の)ジャンプアニメくらい?

でも帝国循環論をテーマに詳細ににレクチャーされてるので
説得力はあります。現実には2パーセント成長にも満足に届かずデフレの波に襲われてますが
もしかしたら。と思わせる力のある内容です。はい。
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by kgapk2004 | 2010-08-16 23:13 | ノンフィクション