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06年11月HPリニューアルに伴い、ブログタイトルもリニューアル。


by kgapk2004
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おくりびと

おくりびと_c0005235_1512823.jpgあまりにも話題になりすぎて今さら
な感じもある作品なのですが。
国内外でここまで話題になる
だけでなく賞を総なめにする映画は
なかなかお目にかかれないだろうということで。
これは古くからある死を看取る映画の
流れを忠実に辿っているなぁと。
視点はまた別ですが
お葬式とかワンダフルライフをちょっと思い出しました。
それと日本の職業漫画の序盤で描かれることが多い
主人公がその職業になった過程を描くエピソードの流れ
(マスターキートンもギャラリーフェイクもブラックジャックはもちろん蟲師やARIAも職業漫画だと
思っとります)も思わせる流れで、ある意味お約束の集まりになってるんですね。
流れだけでいえばはっきりいってベタなんですが、海外で職業漫画を思わせるような
こういった作風は目新しく、自然描写も実に美しく見えたのではないでしょうか。
それと「納棺士」の行う一連の流れが非常に厳粛で美しく、映画生えするということ。
葬儀にまつわる異国・他宗教の文化がやはり海外から
(特に欧米側)からみると珍しかったのかもしれないし。
山形の自然や邦画ならではの間を効果的に用いて抒情感たっぷりに描いた点は
やっぱり優れものです。ここが凄い、ここが目新しいという訳ではないのですが
そういった要素が難解さを伴わずに形になっているのが特に海外受けしたんだろうなぁと。
逆に海外に出ていく以前、国内でここまでその筋に支持された理由がイマイチ不明。。
重いテーマを扱いながらも、ところどころユーモアでカラっとしてるからか
主人公が必要以上に悩まず映画としてのテンポを保っているからか。
扱うテーマも内容も優れていながら、一本の映画として強烈な個性は感じなかったのです。
個人的には主人公の職業に対する周りの反応の冷たさ、特に広末演じる奥さんの猛烈な
反発はリアルだなぁとw。仕事に関する女性側からのリアルな反応ってまさーにああいう感じ。
あのへんのいやーな描写は、さりげなくインパクトがありました。
全体で見ても扱いが難しい部分でもあると思うのですが
現実に職業にしている方もいるし、そこを悲惨に描けば描くほど
後の上がってく展開により大きな感動や納得する筋を期待してしまうし
逆に重い方にいくならもっともっと重い展開にするしかないため、ともに相当の脚本
見せ方の技量がいるはずだと思うので。個人的にはその後、周りに納棺士として
認められていく過程が少々あっさりしすぎてたのが残念でした。。
でも社長と食事のシーンとか、火葬場での火をつけるくだりとか
所々に無言に説得力があったりします
やっぱり衣食住が絡むととたんにリアルになりますねぇ。。。
by kgapk2004 | 2009-05-06 14:19 | シネマレビュー