バクマン
2009年 08月 11日
さて、前回挙げたソラニンが悶々とした団塊ジュニアからプレッシャー世代の
気分を反映した作品なら、この作品はまさにいまの10代の気分を反映した
作品かもしれません。生まれた時から不況は当たり前、のいまの世代は
大きな夢よりも、つつましく暮らすことの大事さが重要で、そのために手に職をつけることに
かなりご執心だと聞きます。そういう意味でこの漫画のサイコーとシュージンは
できすぎてるはいるけど、きわめてイマドキの十代なのかもしれません。
早い段階で自己実現に向かおうとするタイプってことですね。
「ゼロ年代の創造力」風に言えば、セカイ系に対する決断主義というべきなんでしょうか。
ただ小泉・ブッシュ政権的なネオリベがたたかれてるいま、「戦わなければ生き残れない」
のさらに先、を世間では待望している風潮ですが。。。
後ろ盾のない自由、弱者を蹴落としてでものし上がり結果生じる格差社会なんてのは
殺伐としかならないはずだからね。。。
しかし、デスノートにつづき相変わらず尾畑、大場コンビの漫画は
ジャンプで連載するべき漫画じゃないな、と思います(汗)青年誌向けの題材ですね。。
でもジャンプって昔はジョジョも電影少女もバスタードも
ろくブルもシティーハンターも花の慶次もあった訳で、いま「青年層以上」をターゲットにした
漫画がほぼ不在の中、この漫画の存在は大きいはず(例外はこち亀か。。)
多様な層を取り込めたことがジャンプ「600万部時代」の強さだったはずだしね。
とにかく、「戦わなければ生き残れない」がもはや過去のものになってきているいま
業界内幕劇も含めた職業マンガとして以上に、どういう終着点を迎えるかが気になる漫画です。
by kgapk2004
| 2009-08-11 00:16
| コミックレビュー