夜は短し歩けよ乙女
2011年 07月 15日
東大生に人気だか、そんな見出し文に惹かれて
いまや大人気作家なんですね
いわゆるレトロ独白調の作風は好き嫌いがくっきり分かれそうですが
それ以前に「大学生」を主人公にした物語が肌に合わないことが多く
小学生よりも好奇心は薄くとも知恵があり
中学生よりも不安定でなく
高校生ほどの焦燥感や暴走もない
多くはのほほーんとしたモラトリアムがつづくため
大学生の心地よさも知っている反面、物語にすると
退屈なものになりがちなよーな気がしてまして
だから「もやしもん」も「げんしけん」も乗り切れなかったんですが
本作もどこかにそののほほんとしたモラトリアムな匂いを感じ
作者の文体に慣れるまでに時間がかかったのもあって
完全にリズムに乗り切れなかった。。
大学時代特定のサークルに属してなかったのもあるよなぁ、多分。。
でも毎回毎回おこるドタバタ劇は素直に楽しそうだなぁと
一部の夜の街、三部の学園祭など
そういえば、第三部の学園祭の光景は「蓬莱学園の初恋」を思い出しました。
あれと節々の展開が似てる。でもああいう筋のものは大好きで。
でもクセになりそうないい回しの数々
つかみどころのない世界観、独自の文体、奇人変人キャラの数々に
にわじわはまっていくと自然と作者の次の作品も見てみたくなるそんな話。
by kgapk2004
| 2011-07-15 20:52
| ブックレビュー