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by kgapk2004
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竜馬がゆく

竜馬がゆく_c0005235_23215331.jpg司馬遼太郎作の幕末小説。司馬小説というと、やはり幕末物というイメージが強く。今のところ、この竜馬がゆく、と燃えよ剣くらいしか読んでいませんがw(我ながらミーハーな^^;)。どちらかというと、竜馬がゆくの作風の方が好みかなぁ(ただ燃えよ~、がコンパクトで読みやすいのは間違いないです)。最近読破してなんだかんだ非常に読み応えがあった作品なので、レビューに持ってきました。全8巻もありますが、長さの割りにとても読みやすい作品。学校では幕末の事件なんてそこまで時間を割いてやりませんが、この小説は幕末の日本の情勢がかなり詳細に描かれています(なんせ全8巻だし)。登場人物だけで、軽く100人以上、メインキャラだけでも20人は越す大河小説。しかもその1人1人のキャラを登場するたび生い立ちから細かく解説していくため、そのへんもうちょっと削れないのか司馬先生^^;と言いたくもなるのですが(このへんを削れば恐らく5巻以内には収まりそうな気もするw)そういった細かい登場人物1人1人について細かく描写したからこそ、それまで日の当たらなかった史実の人物が何人も再評価されていくきっかけとなったのでしょう。全体的には幕末を舞台にした青春小説というノリですね。千葉道場時代、神戸海軍塾時代、海援隊時代の3つの時代で大きく構成されている気がします。最初の方はほとんど時代小説といった風で、後半になるにつれ史実に基づきながら(ところどころフィクションもまじえながら)坂本竜馬を英雄的に描いていくという感じ、だいたい3巻おきの間に緩やかに雰囲気が変わっていると思います。登場人物もその間にめまぐるしく変化。自分は根が単純なので、こういう本を読むとすーぐ熱くなってしまいますw。坂本竜馬は、この作品によって特に今日ほどの有名人になったという話も聞きますが、それくらいつかみ所はないものの魅力に満ちたキャラとして描写されています。後半になると英雄然としすぎてきて、初期の竜馬のキャラとギャップが大きくなってきますが・・・。お話的には、何度も同じ事柄を念を押すように繰り返したり(これによって、読後もそのキャラが強く印象に残ることになるんですが)様々な登場人物に話が飛び視点が定まらなかったり、と読みにくい面もありますが、幕末ものとしては屈指の大作、読み応えは充分です。時代物だけに文章も堅いですが、読み終わってしまうともっとこの雰囲気に浸っていたいな、と思わせる魅力があります。
by kgapk2004 | 2006-05-01 23:19 | ブックレビュー